トマトの豆知識|日本のトマトは赤くない?

トマト

トマトの歴史

トマトは中南米のアンデス地方が原産といわれるナス科の野菜で、日本には江戸時代に伝わりました。
食用にされ始めたのは明治時代になってからで、本格的に栽培が始まったのは昭和になってからです。
国内では熊本県が特に栽培が盛んで、北海道・茨城県・千葉県でも多く栽培されています。

トマトの旬と栄養

トマトの旬は6月~9月です。
現在はハウス栽培が盛んになって年中収穫できるようになりましたが、ハウス栽培のトマトに旬はありません。

動脈硬化を予防するリコピンと高血圧を予防するカリウム、ルチンが多く含まれています。
ビタミンC、ビタミンA、ビタミンB6などの各種ビタミンも豊富に含まれており、美容と健康に非常に良い野菜です。

トマトの種類

大きさによる違い

トマトは大きさによって呼び方が変わります。
大玉トマト>中玉トマト>ミニトマト>マイクロトマトの順にサイズが小さくなっていきます。

大玉トマト
一般的に「トマト」としてお店に並んでいるのがこのトマトで、「桃太郎」という品種が主流になっています。
おおむね200g以上のものが大玉トマトと呼ばれます。

中玉トマト
大玉トマトとミニトマトの中間の大きさのトマトで「ミディトマト」とも呼ばれています。
扱いやすいサイズで、大玉トマトよりも栽培が簡単なため生産量が増えています。
「中玉」というもののサイズに明確な規定はなく、大玉トマトやミニトマトとの境目はあいまいです。

ミニトマト
一口サイズの小型トマトで重さが20~30gのものをいいます。「小玉トマト」や「プチトマト」とも呼ばれます。
品種や色、形が豊富で赤色以外にもオレンジ・黄色・緑・黒など様々な色があります。

マイクロトマト
ミニトマトよりさらに小型のトマトで、大きさが直径1cmほどしかありません。
日本ではまだあまり栽培されていませんが、海外ではソースにしたり大きさを生かしてそのままサラダにしたりします。

色による違い

トマトには大きく分けて「ピンク系」と「赤系」があります。
大部分の国では「赤系」が主流ですが、日本と韓国では「ピンク系」が好まれています。
ピンク系のトマトも赤いのですが、ピンク系トマトは切ってみると中心部分が白っぽくなっているのに対して、赤系のトマトは中心まで真っ赤で他の部分の赤色も濃厚です。

海外ではトマトを加熱して食べることが多いため、味が濃くて加熱すると旨味が増す赤系が好まれますが、生でトマトを食べることの多い日本では、薄味ですが皮が薄くて食べやすいピンク系が好まれています。
日本でも赤系トマトは栽培されていますが、主にトマトジュースやケチャップで使用する「加工用」として栽培されているので、店頭で赤系トマトを見ることはなかなかありません。

イエロー・オレンジトマト
赤いトマトほどではありませんが、日本でも多く栽培されています。
カロテンとビタミンを多く含んでおり、糖度が高い品種が多いです。

グリーントマト
完熟しても赤くならない品種のトマトです。
赤くなる前の未熟なトマトをグリーントマトと呼ぶこともありますが、本来は熟しても緑色の品種のことを言います。
未熟なトマトには「トマチン」という成分が含まれており、多量に摂取すると中毒を起こすので注意して下さい。

赤くならないのでリコピンを含みませんが、特有の風味があり各種料理やサルサソースなどに使われます。

ブラックトマト
皮が黒色の品種のトマトで、リコピンの他にアントシアニンが含まれます。
皮だけが黒色で中身は赤い品種と、中まで黒色の品種があります。

トマトの豆知識

トマトは当初、観賞用として栽培されていた

今では食卓に欠かせないトマトですが、日本に伝わった江戸時代には食用ではなく「唐柿」という名前で観賞用として栽培されていました。
トマト特有の青臭い匂いと真っ赤な色が当時の日本人には受け入れられなかったようです。
日本人の好みに合うように品種改良が進み、盛んに栽培されるようになったのは昭和に入ってからで、日本での食用としての歴史は意外に短いのです。

トマトが赤くなると医者が青くなる

ヨーロッパでは「トマトが赤くなると医者が青くなる」ということわざがあるほどトマトには多くの栄養が含まれています。
特にトマトの赤色の成分である「リコピン」には、体内の活性酸素の働きを抑え老化を防止する強い抗酸化作用があり、ガンや動脈硬化を予防する効果が高いことも分かっています。

フルーツトマトはトマトの品種名ではない

最近は市場に出回ることも多くなってきた「フルーツトマト」。
普通のトマトとは比べ物にならないほど味が濃厚で甘みも強いのですが、実は「フルーツトマト」という品種のトマトはありません。
フルーツトマトとは、特殊な栽培方法で糖度を高めた「高糖度トマト」の総称なのです。

トマトはもともとアンデス地方の厳しい気候で育っていた野菜です。
そんな厳しい条件でも栽培できる特徴を利用して、水や肥料を極端に制限して育てることで味や栄養が凝縮されたトマトができます。
このように栽培したトマトは通常のトマトより実は小さく硬くなりますが、風味や糖度が格段に高いトマトになるのです。

温かい地方のトマトの木は10mを超えるものも

トマトというと一年で枯れてしまうイメージがありますが、熱帯地方や沖縄などの温暖な地域では冬でも枯れず数年間実がなり続けます。
トマトは1年でも2メートル以上の高さに成長しますが、数年間成長を続けたトマトの木には10メートルを超えるものもあります。

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ABOUTこの記事をかいた人

86年生まれの酒が飲めない九州男児。 家庭菜園が好きすぎて自分の畑を手に入れるためだけに農家になった。 5年前に新規就農し、現在は野菜のネット販売でお金を稼ぎながら家庭菜園を楽しむ「JAに野菜を売らない農家」。 現在家庭菜園16年目。