収穫を終えたサトイモの畝を耕していたら、久しぶりにあるキノコを発見したので紹介したいと思います。
このフジツボのような奇妙な形のキノコは「ハタケチャダイゴケ」といいます。
サトイモを収穫したことで日当たりが良くなったので、少ししなびてしまっていますが、家庭菜園やガーデニングを趣味にしている方は見たことがあるかもしれませんね。
名前に「コケ」とつきますが苔ではなくキノコの仲間です。
環境次第では群生して地面をびっしりと覆うこともあり、見た目の気持ち悪さから頑張って取り除いている方もいるそうです。
ただ、見た目こそ少しグロテスクですが、ハタケチャダイゴケが畑の作物に悪い影響を与えることはありません。
自然には分解されにくい、藁(わら)やバーク堆肥などの有機物の分解を助けてくれるので、むしろ畑にとっては有益なものです。
ただしハタケチャダイゴケそのものは悪くありませんが、ハタケチャダイゴケが発生する環境自体はあまり好ましくありません。
というのも、ハタケチャダイゴケが発生する環境は、野菜の栽培に適していないことが多いからです。
ハタケチャダイゴケの性質
ハタケチャダイゴケは「腐生菌」と言って植物や動物の死骸から栄養を摂るタイプのキノコです。
その中でもハタケチャダイゴケは、主にもみがらや藁、バーク堆肥などの植物性の死骸を餌にしています。
つまりハタケチャダイゴケが発生するということは、堆肥などの有機物を入れ過ぎているか、もしくは耕し方が十分ではなく堆肥の塊ができてしまっているということです。

このハタケチャダイゴケも、昨年畑に混ぜ込んだもみがらが十分に混ざっていなかった部分に発生したようです。
そして、あくまでキノコなので、いくら餌となる有機物があっても湿度がある程度高く、日当たりの悪い場所でしか繁殖できません。
ハタケチャダイゴケが発生しているということは「有機物の入れ過ぎ」、「過湿」、「日当たりの悪さ」の3つが揃ってしまっているということになります。
日当たりと水はけを改善するのは難しいですが、家庭菜園ならバーク堆肥などの使用を控えるか、丁寧に耕して堆肥の塊ができないようにするだけでもかなり発生を抑えることができます。
もし、ハタケチャダイゴケが発生してしまっても、無理に取り除く必要はありません。
そもそもキノコの本体は地上のキノコではなく、地下の菌床部分です。
農薬で殺菌でもすれば別ですが、地上部のキノコをいくら取り除いてもまたすぐにはえてきます。
菌が地下の有機物を分解しきってしまえば自然にいなくなるので、無理に取り除くよりは放置しておいた方が結果的に早くなくなります。
なにかと嫌われがちなハタケチャダイゴケですが、その性質を理解して畑の健康診断に役立てられると良いですね。
コメントを残す