樹木の剪定に欠かせないアイテムといえば、傷口を保護する癒合剤。
その癒合剤のなかでもメジャーなのが、「トップジンMペースト」と「カルスメイト」の2つです。
この2つですが、どちらも同じ癒合剤で値段もそれほど変わらないので、2つ並んでいるとどちらを買おうか迷ってしまいます。
今回は実際にこの2つの商品を果樹園で使用している私が、その使用感と特徴を書いていこうと思います。
良かったら、癒合剤を購入する際の参考にしてください。
トップジンMペーストとカルスメイトの違い
トップジンMペーストとカルスメイトは、どちらも剪定後の切り口を保護するためのペースト状の癒合剤です。
薬剤をチューブから絞り出して、直接切り口に塗り付けて使用します。
用途はほぼ同じですが、使用感やその効果にちょっとした違いがあります。
それぞれの特徴と適した使い方を説明していきましょう。
トップジンMペースト
トップジンMペーストは、オレンジ色をしたペースト状の薬剤です。
使用感は「少し粘り気の高い液体のり」といった感じで、薬剤が伸びやすいので切り口に塗りやすくなっています。
トップジンMペーストは、ただの癒合剤ではなく殺菌剤としての機能も持っているれっきとした農薬です。
その殺菌効果で切り口から病原菌が侵入するのを防いでくれます。
殺菌剤としての効果を期待して、太い枝を剪定したときの切断面や、台風などで剪定時期以外に折れてしまった枝の切り口の保護に使用します。
また、病害虫に侵入されて削り取った患部に使用するのにも適しています。
ちなみに、値段は同じ容量だと若干トップジンMペーストの方がお値打ちになっています。
カルスメイト
カルスメイトは、こげ茶色をしたペースト状の保護剤です。
使用感は「のり」というよりは「木工用ボンド」といった感じで、トップジンMペーストと比べると粘り気が高いのが特徴です。
カルスメイトは酢酸ビニル樹脂が原料の大部分を占めており、成分的にも木工用ボンドと大差ありません。
農薬ではないのでトップジンMペーストような直接的な殺菌効果はなく、あくまで切り口を保護して病原菌の侵入を防ぐのがその役割です。
粘り気が高いため薬剤が流れにくく、幹などの垂直部分に使用しても薬剤が下に垂れてしまうようなことはありません。
トップジンMペーストと違って「薬剤を盛る」という使い方が可能なので、害虫に食害された穴や抉れたような傷を埋めるのに役立ちます。
上の写真はカミキリムシに樹皮を食害された傷口を癒合剤で処理したものですが、トップジンMペースト(左側)が薬剤が下に垂れてしまっているのに対して、カルスメイト(右側)はしっかりとその場に留まって傷口が埋められているのが分かります。
薬剤の色が目立ちにくいので、見た目が重要な観賞用の樹木に使用するのにも適しています。
トップジンMペーストとカルスメイトどっちがいいの?
トップジンMペーストの方が値段が安く、殺菌剤の効果もついているので、特にこだわりがなければトップジンMペーストを買った方がお得です。
私の場合は果樹園の剪定に癒合剤を使用しているので、塗った場所が目立ちやすいトップジンMペーストをメインに使用していますが、観賞用の樹木に使用するのなら色の目立たないカルスメイトを選んだ方が良いでしょう。
あくまでトップジンMペーストをメインに使用しているというだけで、カミキリムシに食害された樹皮や、幼虫に食い荒らされた幹の穴を埋めるにはカルスメイトが欠かせません。
どちらが優れているということではないので、自分の利用目的に適している方を選ぶと良いでしょう。
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