最近はネットショップで手軽にハーブの種や苗を入手できるようになったので、自分で育てたハーブでハーブティーを淹れてみたいという方もいると思います。
ですが、ハーブには本当に多くの種類があるので、どれを選んだら良いのか迷ってしまいます。
有名な名前に釣られて最初からクセの強いハーブを選んでしまうと、ハーブティーに苦手意識を持ってしまうかもしれません。
そこで今回はハーブティー初心者におすすめの、飲みやすくて育てやすいハーブを紹介したいと思います。
これを参考にして、初めてのハーブを選んでみてください。
レモンの香りのするハーブ3選
レモンの香りは多くの人に好まれやすく、初めてハーブティーを飲む方にもおすすめです。
さわやかなレモンの香りは、気分をリフレッシュさせてイライラを鎮めてくれます。
ここでは、レモンの香りのする比較的育てるのが簡単な3種のハーブを紹介します
レモンバーム

特徴
レモンバームはシソ科の多年草でミントの一種です。
葉っぱを手でこすると、レモンに似たさわやかな香りがします。
葉はハーブティーでけでなく料理の香りづけにも利用されています。
レモンバームのハーブティーは、レモンの香りはしますがレモンのような酸味はありません。
香りもそれほど強くはないので、初めてのハーブティーとして選ぶにはピッタリです。
ハーブ特有のクセが少ないので、他のハーブとブレンドするのにも向いています。
効能
レモンバームには消化促進や鎮静作用があるので、食欲不振やストレス解消に効果が期待できます。
解熱作用や解毒作用もあるので、風邪のひき初めに飲むのもおすすめです。
育てやすさ
非常に育てやすく、地植えでも鉢植えでも簡単に増やすことができます。
ただ地植えにすると、こぼれた種から雑草並みに増えてしまうので管理には注意が必要です。
大量に育てたいというのでなければ、最初は鉢植えで育ててみましょう。
寒さには強いので、屋外でも冬越しが可能です。
地域によっては冬に地上部が枯れますが、根が生きていれば春にまた芽が出てきます。
鉢植えの場合は軒下や室内で冬越しした方が確実です。
レモングラス

特徴
レモングラスはイネ科の多年草で、ススキに似た背の高い姿をしています。
本来は多年草ですが、寒さに弱いので日本では基本的に一年草扱いです。
見た目はただの雑草ですが、葉を傷つけるとレモンそっくりの良い香りがします。
レモングラスのティーはレモンバームよりもレモンの香りが強く、飲むと酸味を感じます。
よりレモンの香りを楽しみたいなら、レモンバームよりもこちらがおすすめです。
ハーブティーだけでなく、タイのトムヤムクンのようなエスニック料理にも使用されます。
効能
レモングラスには消化促進の効果があるので、食前・食後のお茶にすると消化を助けてくれます。
胃腸の調子を整える効果もあるので、おなかの調子が悪いときや食欲がないときに飲むと効果的です。
発汗作用や殺菌効果にも優れているので風邪のときに水分補給代わりに飲むのもおすすめです。
育てやすさ
種から育てるのは少々難易度が高いので、苗を購入して育てるのが無難です。
地植えでも鉢植えでも簡単に育てられますが、地植えの方が収穫できる量が多く栽培にも手間がかかりません。
葉を乾燥させて保存すれば年中レモングラスティーを楽しむことができますが、乾燥させると風味が少し弱くなります。
雑草並みの生命力で、一度植えてしまえば基本的に水やりも肥料も不要です。
鉢植えの場合は地植えほど大きくなりませんが、室内で育てられるので上手く管理すれば冬でもフレッシュハーブが収穫できます。
本来かなり大きくなるハーブなので、大きめの鉢で育てましょう。
レモンバーベナ

特徴
レモンバーベナは前に紹介した2種と違い、草ではなく木のハーブです。
葉にはレモンに似た強い香りがあり、「コウスイボク」とも呼ばれています。
レモンバーベナのティーは、レモンに似た香りと酸味のなかに微かな甘みがあります。
レモンバームよりもレモンの香りが強いですが、ハーブ特有のクセは少ないのでレモンの香りが好きならおすすめです。
乾燥させても香りが落ちにくいので、ドライハーブとして保存するならレモンバーベナが一番です。
効能
レモンバーベナにはリラックス効果があるので、ストレスを感じるときや不眠症の緩和などに効果的です。
消化を助ける効果がありますが、胃を刺激するので毎日飲み続けるのは良くありません。
育てやすさ
それほど育てるのは難しくありませんが、寒さに弱いので冬に室内に取り込める鉢植えがおすすめです。
暖地なら地植えも可能ですが、落葉木なので冬には葉が落ちてしまいます。
本来3メートル以上に育つ木ですが、日本では地植えにしてもそこまで大きくなりません。
ミント

特徴
ミントはシソ科の多年草で、清涼感のある刺激的な香りが特徴なハーブです。
ハーブの中では最も有名なので、ハーブに興味が無くても名前を知っている方は多いのではないでしょうか。
世界中に数百種類の雑種がありますが、ハーブティーにされるのはほんの一部です。
料理のアクセントとしても良く使用されるミントですが、ハーブティーとして一般的なのは「ペパーミント」か「スペアミント」です。
どちらも清涼感のある刺激的な香りがしますが、スペアミントの方が香りが穏やかで、初めての方にも飲みやすくなっています。
効能はペパーミントの方が優れているのでメントールの香りが好みであればペパーミントもおすすめです。
葉っぱを数枚入れてお湯をそそぐだけで、簡単にその風味を楽しむことができます。
効能
ミントは消化を助ける効果が高いので、食欲がないときに飲むと効果的です。
気持ちをリフレッシュさせる効果も抜群で、集中力を高めたいときや眠気覚ましにピッタリのハーブです。
育てやすさ
そこらの雑草よりも繁殖力が強く、地植えでも鉢植えでも簡単に育てることができます。
地植えにするとあっという間に広がり野生化するので、鉢植えで育てるのがおすすめです。
もし地植えにする場合は、ブロックなどで地中深くまで仕切りをしたスペースで育てましょう。
ほとんど世話は必要ありませんが、湿り気のある土地を好むので乾燥のしすぎには注意が必要です。
カモミール

特徴
カモミールはキク科の一年草(多年草)で、「大地のリンゴ」という意味があります。
名前のとおり甘いリンゴのような香りが特徴で、花の部分をティーに使用します。
ハーブティー以外にも入浴剤や化粧水などに利用されています。
カモミールのティーは、甘いリンゴのようなフルーティーな香りがします。
カモミールには「ジャーマン種」と「ローマン種」があり、ジャーマン種のティーは甘みがありますが、ローマン種は甘みの中に微かに苦みを感じます。
ジャーマン種の方が味や香りにクセがないので、初めての方はジャーマン種がオススメです。
単体だと少々味や香りが強めなので、他のハーブとのブレンドに向いています。
ミルクとも相性が良くミルクティーにして飲むと美味しくいただけます。
効能
カモミールは女性特有の症状に効果が高く、生理痛の緩和やホルモンバランスの調整に効果があります。
他にも消化促進や鎮静作用、炎症抑制、発汗作用など健康を助ける数多くの効果が期待できます。
ただし、子宮を収縮させる作用があるため妊娠中に飲み過ぎるのは避けるようにしましょう。
育てやすさ
発芽率が高いので種からでも育てやすいですが、種が非常に細かいので取り扱いには注意が必要です。
乾燥に強く肥料も必要としないので育てるのは難しくありませんが、過湿に弱いので梅雨どきには根腐れを起こすことがあります。
また、アブラムシがつきやすいのも難点です。
ジャーマン種は一年草なので冬には枯れてしまいますが、翌年以降はこぼれた種から自然に増えていきます。
マロウ

特徴
マロウはアオイ科の二年草(多年草)で、花の部分をティーに利用します。
花以外にも、葉や若い茎は野菜としても食べることができます。
マロウのティーは、他の多くのハーブと異なり、味や香りよりも美しい色が有名なハーブです。
マロウティーは綺麗な青色をしており、レモンや酢などを入れると鮮やかなピンク色に変化します。
見た目は美しいですが、味や香りにはそれほど特徴がないので、他のハーブとブレンドしたりハチミツなどを入れると飲みやすくなります。
効能
マロウには、喉や気管支の炎症を抑える効果があります。
咳や痰が絡むときにマロウのティーを飲むと症状を和らげてくれます。
うがい薬としても利用できるので、喉に痛みを感じるときやタバコを吸い過ぎた時にも効果的です。
美肌効果にも優れているので、余ったティーを化粧水や洗顔水として使用するのもおすすめです。
育てやすさ
種からでも簡単に育てられますが、一株からかなりの量が収穫できるので苗を購入するのがおすすめです。
地植えにするとかなり大株になり、収穫時期には毎日使いきれないほどの花が収穫できます。
放任すると高さが2メートルを超えるので、スペースがない場合は鉢植えでコンパクトに育てましょう。
一度栽培するとこぼれた種から毎年発芽するので自然に増えていきます。
ローゼル

特徴
ローゼルはアオイ科の多年草で一般的には「ハイビスカスティー」と呼ばれています。
本来は多年草ですが、寒さに非常に弱いので日本では基本的に一年草扱いです。
花が咲いた後にできる果実(正確にはがくの部分)をティーにします。
ローゼルのティーは、ルビーのようなきれいな赤色で、酸味の強い味と香りが特徴です。
微かに甘い香りがしますが、甘みはほとんど感じません。
酸味が強いので、気になる場合はハチミツを入れたり他のハーブとブレンドすると飲みやすくなります。
効能
梅干しやレモンなどに含まれる「クエン酸」が豊富に含まれており、疲労回復に高い効果があります。
カリウムも豊富に含まれているため利尿作用があり、むくみの改善にも期待できます。
その他、眼精疲労の緩和や美肌効果など現代人に嬉しい効果がいっぱいです。
育てやすさ
種からは育てにくいので、苗を購入して育てるのがおすすめです。
育てるのは簡単ですが、地植えにするとかなり大きくなるのでそれなりのスペースが必要です。
鉢植えでも育てるのは難しくありませんが、地植えに比べると収穫できる量がかなり少なくなります。
今回紹介したのは、どれも育てやすく、クセがなくて飲みやすいハーブです。
クセのないハーブに慣れてきたら、ちょっとクセのあるハーブに挑戦してみるのも良いでしょう。
他のハーブとのブレンドにも向いているので、いくらか育てておくと重宝します。
新鮮なフレッシュハーブを自宅で楽しめるのは、自分でハーブを育てた人の特権です。
いろいろなハーブティーに挑戦して、自分好みのハーブを見つけましょう。
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