トウモロコシ雌穂が出てきたので、今日は人工授粉をします。
トウモロコシは虫や風で自然に受粉されることが多いですが、人工授粉をした方が確実に良い実を収穫できるので、余裕があれば行ってみましょう。
ところで家庭菜園でトウモロコシを収穫したときに、粒が歯抜けになっていたり、害虫に食べられていたことはありませんか?
これは家庭菜園では結構多い悩みですが、ちょっとした世話で改善することができます。
- 雄穂が開いたら人工授粉を行う
- 1か所でたくさんのトウモロコシを育てる
- 雌穂の受粉が済んだら雄穂を切り取る
この3点を気を付けるだけで、きれいな実を収穫できる確率がグンと上がりますよ。
雄穂が開いたら人工授粉を行う
まず最初にトウモロコシが受粉する仕組みから説明します。
この頂上についているのが雄穂(おすほ)。
葉の付け根から出ているこれが雌穂(めすほ)です。
この雌穂がトウモロコシの実になる部分です。
トウモロコシは雄穂の花粉が雌穂のヒゲに触れることで受粉します。
トウモロコシの粒の数は、雌穂のヒゲの本数と同じなので、粒が抜けていないトウモロコシを収穫するには、すべてのヒゲが受粉する必要があります。
なので自然に任せるより、自分の手で授粉させた方が確実なんですね。
人工授粉の方法ですが、それほど難しくはありません。
雄穂を切り取って、このように雌穂のヒゲに擦りつけてやるだけです。
1本1本擦りつけるのが面倒なら、雄穂を手でたたいて花粉を落としてやるだけでも大丈夫です。
ちなみに雌穂のヒゲは1週間以上受粉能力がありますが、雄穂の花粉は開花してから1日で受粉能力がなくなってしまいます。
人工授粉をするなら、雄穂が開花した当日に行いましょう。
1か所でたくさんのトウモロコシを育てる
トウモロコシはたくさんの本数を一度に育てた方が、粒の詰まった良い実が収穫できる傾向があります。
トウモロコシは花粉が多いので、虫や風で自然に受粉されることが多いのですが、この雄穂の花粉は、開花してから1日ほどで雌穂を受粉させる能力が無くなってしまいます。
雄穂は1株につき1本しかないので、雄穂が開花した日に雨が降ったりすると、花粉が雨で流されてしまい雌穂を受粉させることができません。
たくさんのトウモロコシを育てていれば、1本の雄穂がだめでも他の雄穂から花粉が飛んでくるので問題ありませんが、育てている本数が少ないと、ちょっと雨の日が続いたりするだけで、受粉されずにスカスカのトウモロコシができてしまいます。
トウモロコシを育てるときは、できるだけ1か所に多くのトウモロコシを育てましょう。
雌穂の受粉が済んだら雄穂を切り取る
家庭菜園で収穫したトウモロコシに、幼虫が入っていたことはありませんか?
無農薬でトウモロコシを育てている場合は、必ず一度は見たことがあると思います。
この幼虫は「アワノメイガ」という蛾の幼虫で、トウモロコシの実を食害する有名な害虫です。
カラスなどの野生動物からの被害を除けば、トウモロコシの一番の大敵なのではないでしょうか?
アワノメイガは、まず成虫である蛾がトウモロコシの雄穂などに卵を産み付けます。
この卵がかえると、アワノメイガの幼虫が葉や茎、雌穂などに潜り込み中身を食い荒らすのです。
農薬をまいてしまうのが一番手っ取り早いのですが、家庭菜園ではできるだけ農薬を使いたくないという方も多いと思います。
なので、農薬を使わずにアワノメイガからの被害を減らす方法を紹介します。
簡単なのはこのように雄穂を切り取ってしまうことです。
アワノメイガの成虫は、雄穂に誘引されてトウモロコシの場所を見つけます。
雄穂がなければアワノメイガに卵を産み付けられる可能性はグッと下がります。
受粉に使った雄穂や、開花してから時間が経った雄穂は早めに切り取ってしまい、雄穂の数を減らしましょう。
そして、すべての雌穂の受粉が終わったら、雄穂もすべて切り取ってしまいます。
これだけ対処しても、アワノメイガには卵を産み付けられてしまうことがあるので、こまめに葉の裏や雌穂を確認して幼虫がいないかチェックすることが大切です。
毎日のちょっとした世話が、収穫できる実の出来を左右します。
中身の詰まったきれいなトウモロコシが収穫できるといいですね!
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