タネバエ・タマネギバエの被害
最近、根付いたはずの玉ねぎの苗が急に枯れてしまったり、腐ってしまうことがありました。
例年に比べてあまりに数が多いので、不思議に思って萎れている苗を引き抜いてみると、根が無くなって溶けたようになっていました。
根腐れか何かかと思いましたが、それほど水はけの悪い土地でもありません。
根元を割いてよく見てみると、中に蛆のような芋虫が何匹も出てきました。
まだ根が残っている苗もありましたが、芋虫に内部を食い荒らされています。
なるほど、これでは苗が枯れてしまうわけです。
体長は5mm程度で、蛆のような見た目をしています。
見た目の割に丈夫で、指で軽く押しつぶした程度では潰れず死にません。
詳しく調べてみたところ、どうやら「タネバエ」または「タマネギバエ」という害虫のようです。
玉ねぎの害虫としては割と有名なようですが、運が良かったのか10年以上玉ねぎを育てていて一度も被害に遭ったことがなかったので知りませんでした。
タネバエ・タマネギバエの生態
生態を調べてみたところ
- 北海道から沖縄まで、全国的に分布しているハエの一種。
- 玉ねぎやラッキョウなどのネギ科の野菜に産卵し、幼虫が作物を食害する(タネバエは他の野菜にも広く寄生する)。
- 主に発生するのは春と秋で、夏にはあまり活動しない。
- 未熟な堆肥や有機肥料などの臭いに誘われてくる。
- 水分の多い土壌だと被害が大きくなりやすい。
などのことが分かりました。
「タネバエ」と「タマネギバエ」は違う種類の害虫のようですが、幼虫の時点での見分けは非常に難しいようです。
ただ被害としてはさして変わらないので、特に見分ける必要もなさそうですが。
どの段階で寄生されていたのかは不明ですが、お店で購入した赤玉ねぎには被害がなかったので、もしかしたら苗づくりの時点で卵を産み付けられていたのかもしれません。
確かに店で売られている苗は農薬を使って育苗されているので、タネバエが寄生している可能性は低いでしょう。
結局、約半月で全体の半分ほどの苗が枯れてしまい、これからまだ被害が増える可能性もあります。
苗を植え付けた後では農薬も効きにくいようで、こうなってしまうと対処のしようがありません。
一応、植え付け前の土壌や苗に薬剤処理をすることで発生を予防できるようですが、家庭菜園で予防のために農薬を使用するのはあまり現実的ではありません。
まずタネバエを発生させないための対策を考える必要がありそうです。
タネバエ・タマネギバエの発生予防対策
とりあえずタネバエ・タマネギバエの生態から簡単にできそうな対策は
- 苗はできるだけ店で買う。
- 堆肥や有機肥料を使う場合は時間をおく
- できるだけ気温が下がってから苗を植える
- 少し高畝にして水はけを良くする
の4つくらいでしょうか
ひとつづつ説明していきましょう。
苗はできるだけ店で買う
玉ねぎ苗を種から育てる人もいますが、苗が畑にある時間が長いとそれだけ卵を産み付けられる可能性も高くなります。
店で販売されている苗は、農薬を使って管理された畑で育苗されているので、タネバエ等に寄生されている可能性は非常に低くなります。
苗が手に入りにくい珍しい品種を育てたいという場合でなければ、お店で苗を購入したほうが安心です。
堆肥や有機肥料を使う場合は時間をおく
タネバエ・タマネギバエは未熟な堆肥や有機肥料の臭いに誘われてきます。
元肥に堆肥や有機肥料を使う場合は、よく土と混ぜてから時間をおき、充分に分解されてから苗を植え付けると良いでしょう。
できるだけ気温が下がってから苗を植える
タネバエ・タマネギバエの成虫は、気温が下がると活動が鈍くなります。
早すぎる苗の植え付けは避け、できるだけ気温が下がってから苗を植え付ければ、それだけ卵を産み付けられる可能性は低くなります。
少し高畝にして水はけを良くする
タネバエ・タマネギバエの幼虫は、乾燥した土壌では生存率が下がるようです。
あまり水はけが良くない畑で玉ねぎを育てる場合は、畝を高めにして水はけを良くすると、卵を産み付けられても被害が大きくなるのを防ぐことができます。
ただし、あまり乾燥させ過ぎると玉ねぎの成長が悪くなるのでほどほどにしましょう。
初めて経験したタネバエ被害ですが、被害の大きさを考えると二度と経験したくないものです。
今回の被害は良い勉強になったと思って、来年はこの失敗を生かしてタネバエ委被害を発生させないようにしたいと思います。
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