種をまいたのに芽が出てこない・・・
これは家庭菜園では割と多い悩みなのではないでしょうか。
種も生き物なので、どれだけ上手く育てても100%の発芽率は期待できません。
ですが、まったく(ほとんど)芽が出ない場合は、何かしらのミスをしていることが考えられます。
まいた種が発芽しない原因はさまざまなので、原因を突き止めるのはなかなか難しいものです。
ですが、ちょっとした勘違いで初歩的な間違いをしていることも意外に多いのです。
すでに知っていることもあるかもしれませんが、あらためて種まきの一般的な注意点を確認してみましょう。
種が古すぎる
そもそもまいた種が古すぎるというものです。
市販の種の袋には「有効期限」というのが記載されています。
この期限が切れているものは種自体に発芽する力が残っていないことがあるので、どれだけ上手い人が育てても発芽しません。
また、期限内であっても、管理の方法が悪いと発芽しないことがあります。
温度や湿度の高いところで保存したり、直射日光の当たる場所に置いていたりすると、短期間で種が弱ってしまいます。
種を保管するときは、直射日光の当たらない乾燥した涼しい場所で保管しましょう。
種の覆土が厚い・薄い
種には好光性種子と嫌光性種子があります。
名前の通り、好光性種子は発芽に光を必要とし、嫌光性種子は光が当たると発芽が抑制されてしまいます。
全ての種がどちらかに分類されるわけではなく、どちらにも当てはまらないものもあります。
一般的に土を被せる厚さは、種の大きさの2~3倍と言われています。
ですが、ニンジンのような好光性種子を厚く覆土してしまうと、光が当たらず全く発芽しないことがあります。
逆に早く芽が出てくるようにと、嫌光性種子を薄くしか覆土しないと、かえって芽が出にくくなることもあるのです。
基本は種の大きさの2~3倍で覆土し、種の性質によって厚さを調整するようにしましょう。
また、土の厚さとは別の話になりますが、好光性種子といっても「直射日光を好む」というわけではありません。
種をまいたポットやセルトレイを、昼間の直射日光に当てている方がいますがそれは間違いです。
次の「種まきの時期」でも説明しますが、種をまいたポットやセルトレイを直射日光に当てると、土の温度が急激に上昇し、土が乾燥しすぎたり発芽適温を超えてしまうことがあります。
種をまいたポットやセルトレイは、直射日光の当たらない明るい場所で管理するようにしましょう。
種まきの時期を間違えている
種にはそれぞれ適した「まき時期」があります。
種袋の裏面を見ると、おおよその種まき時期が書いてあると思います。
はじめて育てる品種の場合、多くの方が参考にしているのではないでしょうか。
この時期も重要なのですが、もっと重要なのはこの発芽適温です。
当たり前のことですが、種はカレンダーを見て芽を出すわけではありません。
水分を含んだ種が、種の中にある酵素を分解することで生長を始めます。
そして、その酵素が最も活発に働く温度が「発芽適温」です。
これは単なる化学反応なので、適温を外れると酵素の働きが弱まって発芽が遅れます。
発芽が遅れるだけならまだマシですが、大きく発芽適温を外れると全く発芽しないこともあります。
なので、種まき時期を見て「5月になったからそろそろ種をまこう」というのも良いのですが、「まいた時期が例年より寒かった」というような場合は、たとえ種まき時期を守っていても芽が出ないということがあります。
ちなみに、この発芽適温は「気温」ではなく「地温」です。
家庭菜園で「地温を測ってから種をまく」という方はほとんどいないと思いますが、あくまで参考までに。
水のやりすぎ
種が発芽するには、「水」と「空気」と「温度」が必要です。
好光性種子のように種の種類によっては、光を必要とするものもあります。
温度と光についてはすでに説明したので、水と空気について説明します。
よく家庭菜園の本に、「種をまいたら発芽するまで乾かさないようにする」とか「湿らせた状態にする」というようなことが書いてあります。
これを読んで、「毎日欠かさず水をやっている」という方が結構いるのですが、それは間違いです。
「乾かさない」と「水浸し」は違います。種が発芽するには水が必要ですが、同じくらい空気も重要なのです。
種が発芽するには酸素が必要なので、常に水で湿っているような土だと種が窒息してしまいます。
毎日水をやるのではなく、様子を見て土が乾燥しているようなら水をやるというのが正しい水のやり方です。
根が出た後と違い、種の状態ではそこまで吸水力は強くないので、土はそれほど乾燥することはありません。
基本的に、1週間以内で発芽する種なら、種まきのときにしっかり土を湿らせてやれば、発芽までほとんど水をやる必要はありません。
失敗したら原因を考えよう
まいた種が発芽しない原因は一つではありませんが、芽が出ないのには必ずどこかに理由があります。
芽が出なかったときは残念ですが、その原因を考えて次に生かせば、種まきの成功率は必ず上がります。
今回の種まきのポイントを参考にして、種まき名人を目指しましょう。
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