前回、鉈目栽培をはじめてから2か月以上が経過しました。
12月も終わりを迎えて、最低気温も0度を下回るようになったので、周りの原木しいたけの発生も少なくなってきました。
前回 ➔ しいたけの鉈目栽培に挑戦してみる
しいたけは、気温が5度を下回ると活動が鈍りはじめ休眠期に入ります。
しいたけが発生しなければ当然胞子も飛んでこないので、原木をこれ以上置いておいても意味がありません。
むしろ乾燥や寒さでしいたけ菌が弱ってしまったり、雑菌が入る可能性の方が高いので、原木を保護するために仮伏せを行います。
原木の仮伏せ
鉈目栽培の原木にしいたけ菌を活着させるために、仮伏せを行います。
とはいえこの時期にしいたけ菌が成長することはほぼ無いので、活着させるためというよりは「付着したしいたけ菌が弱らないように保護する」という意味合いの方が大きくなります。

これが鉈目をつけて2か月間置いておいた原木です。
しいたけ菌が付着しているかどうか見た目ではまったく分かりませんが、この時点で菌が入っていなければ鉈目栽培は失敗ということになります。
仮伏せの方法は地域によって差はありますが、通常の原木栽培と違いはありません。
直接榾木が地面に触れないように枕木を置いて

その上に2~3段の高さで横積みします。
※上の画像は通常の原木しいたけの榾木です
あまり高く積み上げると上の段の榾木が乾燥しすぎるので、積むのは2~3段までにしておきます。

榾木を積んだら、ビニールシートで覆って原木を寒さと乾燥から防ぎます。
地域によっては原木を覆うのがムシロだったり、杉やヒノキの枝葉を被せるだけということもありますが、鉈目栽培は通常の栽培と比較して付着しているしいたけ菌の数が圧倒的に少ないうえに、原木の表面にしか菌が付着していないため、乾燥や気温の変化、雑菌などに弱いことが考えられます。
そのため、過湿やカビに気を付ける必要はあるものの、ビニールシートなどで完全に覆って保護した方が成功率が高いと思われます。
可能であれば、ビニールハウスのような湿度や温度が保てて雑菌の入りにくい場所で管理したいところですが、現実的には難しいでしょう。
仮伏せ後の管理と注意点
仮伏せ後の管理も、通常の原木栽培と同様です。
半月に一度くらいはビニールシート外して原木の様子を確認し、乾燥しすぎているようであれば散水します。
逆に湿度が高すぎるようであれば、ビニールシートを外して乾燥させたり、原木の積み方を変えるなどして調整します。
このまま5月頃まで仮伏せして、原木にしいたけ菌をまん延させます。
湿度や気温が高くなり過ぎると過湿や高温でしいたけ菌が死んでしまうので、梅雨入り前までには本伏せを行います。
追記:原木の追加
春と秋で鉈目栽培の成功率が違うのか比較するため、3月に原木20本を追加しました。
冬でも霜がほとんど降りないような温暖な地域であれば冬もしいたけ菌糸は成長しますが、それ以外の地域では冬はしいたけ菌が休眠状態になるためほとんど成長しません。
そのため基本的に冬の仮伏せは、菌を成長させるためというよりは付着したしいたけ菌を春まで保護する意味合いが大きくなります。
そういう意味では、暖地以外では早春に鉈目栽培を行った方が菌の活着が良いのかもしれません。
もちろん春の鉈目栽培は冬以上に雑菌のリスクが増えるため、管理が難しくなることも考えられます。
どちらにしても鉈目栽培の資料は非常に少ないので、いろいろと試行錯誤してみるしかありません。
失敗したら原木は無駄になってしまいますが、挑戦してみようかと思います。
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