初心者でも育てやすく、春と秋の年2回栽培できて保存もきくジャガイモ。
料理の幅も広いので、作っておいて損をしない家庭菜園におすすめの野菜です。
栽培の手間もあまりかからないので、少しのポイントを押さえておけば初めてでも立派なジャガイモが収穫できます。
いろいろな品種の種イモが販売されているので、お店ではなかなか買えない自分好みの品種が選べるのも魅力ですね。
種イモの植え付け準備
ジャガイモは他の多くの野菜と違い、種ではなくこのような「種イモ」を植え付けます。
写真のように小さい芽が出ていれば植え付け適期ですが、購入した種イモにまだ芽が出ていなければ、弱い日光の当たる場所に1週間くらい置いておくと発芽が促進されます。
ジャガイモは発芽力が強いので、多少問題のある種イモでも普通に発芽することが多いですが、芽が伸びすぎていたり、種イモがシワシワになっているようなものは、購入しないようにしましょう。
種イモの切り分け
大きな種イモは、切り分けて使うと種イモの数を節約することができます。
切り分ける場合は、1片の重さが30~40g以上、それぞれに芽が2~3個ずつ付くように切り分けます。
基本の切り方ですが、2つに切り分ける場合はこんな感じです。
まず、親イモと繋がっていた「へそ」を切り落として、次に種イモを縦に切り分けます。
「へそ」を切っておくと、種イモに芽が出やすくなります。
種イモは切りやすい横向きに切りたくなりますが、ジャガイモの芽は「へそ」の反対側に多くつくので、縦に切ったほうが均等に芽を分けることができます。
ちなみに秋植えの場合は、植え付け時期の気温がまだ高くて種イモが腐りやすいので「切らずにそのまま植える」ようにします。
春植えの場合でも、種イモの数が足りているならあえて切る必要はありません。
種イモを乾かす
切りたての種イモは切り口に水分が多く腐りやすいので、半日程度風通しの良い場所で切り口を乾燥させてから植え付けます。
種イモの乾かし方にはいろいろな方法があるので否定はしませんが、私は切り口がコルク状になるまで乾燥させるという方法はオススメしていません。
乾燥のさせ方や、天気によっては種イモがカビてしまったり、乾燥しすぎて種イモが弱ってしまうことがあるからです。
ジャガイモの発芽力は非常に強いので、種イモを弱らす前に植えてしまった方が、個人的には成功率が高くなると思っています。
ちなみに、昔は「切り口に灰をつけると良い」と言われていましたが、科学的な根拠はありませんので無理に灰を入手する必要はありません。
すぐに植えたいなら「じゃがいもシリカ」
切ってすぐに植え付けるのが心配な方は、この「じゃがいもシリカ」もオススメです。
切り口の腐敗防止効果があり、発芽促進効果もあるという優れものです。
種イモの植え付け
植えるタイミングが重要
ジャガイモは冷涼な気候を好みますが、芽が出たあとに霜にあたると葉が傷んで枯れてしまいます。
天気予報に注意して、遅霜の心配がなくなってから植え付けるようにしましょう。
畝づくり
畑に幅70~80cmほどの畝をつくります。
ジャガイモは「土寄せ」という作業があるので最初はあまり高い畝にしない方が良いですが、ジャガイモは過湿に弱いので水はけの悪い畑では高畝にするようにします。
また、ジャガイモはアルカリ性の畑だと「そうか病」という皮が荒れる病気が発生しやすくなります。
皮を剥けば食べられますが、見た目が悪くなるのでジャガイモの栽培では石灰を使わないようにしましょう。
種イモの植え付け
畝の中央に、鍬などで深さ10cmほどの溝を掘り、種イモを30cmほどの間隔に並べていきます。
このように移植ゴテなどをものさし代わりに使えば、いちいち株間を測る必要もないので便利です。
種イモを並べたら、種イモと種イモの間に堆肥をひとつかみずつ置いていきます。
これを「置き肥」といって、ジャガイモが発芽してからの初期の成長を助けてくれます。
植え付けが済んだら、溝を埋め戻して植え付け作業は完了です。
発芽までは種イモの養分で成長するので、水をあげる必要もありません。
強いジャガイモを育てる裏技
切った種イモを植え付けるとき、普通は切り口を下(芽が出ている方を上向き)にして植えますが、切り口を上にして植える方法があります。
こうすると、強い芽だけが地上に出てくるので病害虫に強い株が育つといわれています。
ただし、「芽が出ない」という可能性もありますし、雨が降ったときに種イモが腐りやすいというデメリットもあります。
私の場合は種イモについている芽の数が多いときだけ、切り口を上にして植え付けるようにしています。
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