水素肥料とは|新しい肥料のかたち

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すでに「水素水」や「水素サプリ」として一般に浸透した水素製品。
最近では農業分野にも水素を活用する流れが来ています。

その中で最近耳にするようになってきたのが「水素肥料」というもの。
一部の取り扱いであるものの、2017年には正式に販売が始まりました。

ですが、まだまだ歴史の浅い分野のため、水素肥料がどのようなものか知らない方も多いと思います。
今回はこの水素肥料について説明していきます。

そもそも水素肥料とは?

水素肥料とは、名前の通り水素を含んだ肥料のことです。
正確には、「水分と反応して水素ガスを発生させる肥料」のことで、水と混合して散布する、または肥料を散布した後に水をまくことで一定期間水素ガスが発生します。

野菜や果物、稲などの農作物にこの水素肥料を与えることで、発生した水素を吸収した農作物にさまざまな影響を与えると考えられています。

水素肥料の効果

水素肥料を農作物に与えることで、以下のような効果があると言われています。

  • 作物の成長が早まった、収穫までの期間が短くなった。
  • 収穫した野菜の大きさや糖度が高くなった。
  • 稲の収量が増えた。
  • 農作物の病気の被害が軽減された etc…

ただし、まだまだ検証段階の技術であるため実験の試行回数は十分とは言えません。
これらの効果が本当に水素肥料によるものなのか、水素がどのように働いてこのような効果が出ているのかについては証明がされおらず、更なる研究が必要です。

水素は肥料ではない

実は、現段階で水素は肥料とは認められていません。
水素が植物に与える影響が科学的に証明されていないうえに、水素そのものを固体化して肥料にする技術も存在しないからです。

現在、水素肥料として販売されているのは厳密には「水素担持肥料(すいそたんじひりょう)」というもので、肥料の種類としては石灰肥料(カルシウム肥料)として販売されています。

水素担持肥料ってなに?

前述したように、現在の技術では水素そのものを固体化して肥料にすることはできません。
その代わりに開発されたのが、水素を他の物質に吸蔵(担持)させ疑似的に水素を固体化させる「担持技術」というものです。

詳しい製造方法は不明ですが、サンゴや貝殻のような炭酸カルシウムを豊富に含む素材に特殊な処理を行うことで、その素材に水素を貯蔵することが可能となります。
この水素を固体化する担持技術により、長期間高濃度の水素を保持させることが可能になり、肥料として取り扱うにはネックであった「水素は保存が難しい」という欠点が大幅に改善されました。
この水素担持技術はまったく新しいもので、2017年に製造特許も取得されました。

この水素担持技術は、炭酸カルシウムを含む物質であれば特に対象は選びませんが、水素を担持させる物質には珊瑚が多く利用されています。

その主な理由としては

  • 他の炭酸カルシウムを含む物質(貝殻や真珠など)と比べてコストが低いこと。
  • 多孔質なサンゴの特徴が水素を担持させるのに適していること。
  • 肥料として与えても安全であること。

などが考えられます。

この水素肥料を取り扱っている企業が、「水素担持サンゴカルシウム」というサプリメントを販売していることから、すでに技術的な下地があったというのも珊瑚が選ばれている理由の一つかもしれません。

水素は新しい肥料になれるか

水素が新しい肥料のひとつとして普及するかどうかは現段階では不透明です。

過去の水素水ブームのときに、水素の効果を過度に誇張した売り文句や、普通の水と水素の濃度が変わらない水を水素水と謳って高値で販売するなどの詐欺が頻発したこともあってか、水素製品に悪いイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。

しかし、最近では水素に関する研究も増加しており、病気の改善や、植物の生長に有意な効果があるという研究結果も発表されています。
特に、メカニズムこそ特定されていないものの「水素が活性酸素を除去する」という事実に関しては、多くの研究で共通の結果が出ており、もはや疑いようがないレベルになりました。

確かに水素製品は、まだ歴史が浅く解明されていないことも多いですが、どんなものにも始まりはあります。
発表当時は、「何の効果もない」、「詐欺だ」と多くの研究者に言われていた技術が、後に世界中に広がっているなどという例は数多く存在しています。
現時点で水素肥料を似非科学と判断してしまうには、もったいない技術ではないでしょうか。

水素肥料に関する研究はまだまだ発展途上ですが、人体よりも植物に対する実験の方が早く進むことは言うまでもありません。
ここ十数年で、水素の研究が急速に進展していることを考えても、水素肥料の効果が実証されるのもそれほど遠い未来ではないと思います。
研究の結果が、水素肥料にとって良い結果をもたらすかどうかは分かりませんが、将来が楽しみな分野であることは間違いないでしょう。

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86年生まれの酒が飲めない九州男児。 家庭菜園が好きすぎて自分の畑を手に入れるためだけに農家になった。 5年前に新規就農し、現在は野菜のネット販売でお金を稼ぎながら家庭菜園を楽しむ「JAに野菜を売らない農家」。 現在家庭菜園16年目。