今日は余ったネギの苗で、「曲がりネギ」を栽培してみようと思います。
曲がりネギというのは、名前のとおり白い部分がグニャッと大きく曲がったネギのことで、宮城県や栃木県などの特産品になっています。
ある程度の大きさまで育てたネギを、8月から9月の暑い時期に掘り上げて斜めに植え替えることで、このような曲がった形になるのです。
斜めに植えたネギが起き上がるストレスで、普通に育てたネギよりも甘く柔らかくなると言われています。

今回使用するのは、5月頃にコンパニオンプランツとしてキュウリやスイカの周りに植えておいた九条ネギです。
スイカの収穫も終わったので、枯れた株の処分のついでにネギも掘り起こしてやります。

土寄せをしていないので緑の部分が少し多いですが、なかなか立派に生長しています。
このネギを使って曲がりネギの栽培に挑戦してみようと思います。

まずは、掘り上げたネギから枯れた葉っぱを取り除いてきれいにします。
くっついているネギは切り離さずに束のまま使います。

スコップで深さ15cmくらいの溝を掘り、掘った土を溝の両側に盛っていきます。
通常のネギ栽培のようにきれいな溝を作らなくても良いので、簡単に終わります。

溝を掘ったら、ネギの苗を斜面に立て掛けるようにして並べていきます。
間隔は10cmくらいで大丈夫です。

ネギの苗を並べたら、葉の分かれ目の2~3cm下くらいまで土を被せます。
あるのなら、ワラなどを溝に入れてから埋めると通気性が良くなりますよ。

今回の作業はここまでです。
半月ほどで寝かせたネギが起き上がってくるので、あとは通常のネギの栽培と同じように、生長に合わせて追肥と土寄せをします。
土寄せのときには、葉の分かれ目を埋めてしまわないように注意しましょう。
12月頃には、美味しい曲がりネギが収穫できます。
曲がりネギの特徴は、「ネギが起き上がるストレスで甘く柔らかくなる」というところですが、この栽培方法の本来の目的は、水はけが悪かったり耕土が浅い土地で何とかしてネギを栽培しようと考えた農家の知恵でした。
なので、水はけが悪い畑や地面が固くて深く耕せない畑でネギを栽培する場合には、この方法のほうが適しています。
私の畑も特別水はけが良いわけではないので、雨が続いて過湿になるとネギが腐ってしまうことがありました。
この方法だと通常の真っすぐなネギほど地面を深く掘り下げなくて良いので、ネギの病気もめったに発生しません。
ネギを斜めに植え替えるという手間はありますが、作業を機械化している大規模なネギ農家ならともかく、私のように小さな家庭菜園でネギを育てているような場合は大した手間ではありません。
むしろ、通常のネギのように深くてきれいな溝を掘らなくても良いので作業自体は簡単になります。
水はけが悪い畑や、地面を深く掘りづらい畑で家庭菜園をしている方は、曲がりネギを栽培してみてはいかがでしょうか?
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