キンカンの豆知識|NK細胞を活性化して免疫力アップ!

キンカン

キンカンの歴史

キンカンは中国原産のミカン科の果物で、日本には江戸時代に伝わりました。
中国の難破船が修理のために日本の港に寄った際に、お礼としてキンカンの実を貰いその種から栽培が始まりました。

現在は宮崎県と鹿児島県で盛んに栽培されており、日本全国の収穫量の90パーセント以上をこの2県が占めています。

キンカンの旬と栄養

おおむね11月~3月にかけてが出荷のシーズンになります。
その中でも、最も栄養価が高く味が良い「完熟キンカン」が収穫されるのが1月~3月で、この時期がキンカンの旬といえます。

キンカンにはβ-クリプトキサンチン、ビタミンC、ビタミンE、カルシウム、食物繊維が豊富に含まれています。

食物繊維が豊富なのに加えて、水溶性の食物繊維と不溶性の食物繊維がバランスよく含まれているのが特徴で、便秘や大腸がんの予防に効果があると言われています。
ビタミンの80パーセント以上は果皮の部分に含まれているため、皮ごと食べることで栄養が無駄なく摂取できます。

漢方薬としては果実以外にも葉から種までが利用されており、咳止めや痰のからみ、酔い覚ましなどの効果があると言われています。

キンカンの特徴

キンカンは柑橘類の果樹のなかではユズに次いで耐寒性が高いのですが、果実は寒さに弱く霜にあたると傷んでしまいます。

宮崎県や鹿児島県などの暖地で栽培されることの多いキンカンですが、冬季には霜が降りることも多いため、ハウス栽培の技術が発達していなかった時代は霜の被害を避けるために未熟な状態の果実を収穫していました。

そのため、昔はキンカンといえば生で食べるよりはシロップ漬けや果実酒、ジャムなどに加工して食べられることが多かったのですが、ハウス栽培が発達した現在では完熟してから収穫することが可能になり、生のままの果実をまるごと食べるという本来の味を楽しめるようになったのです。

キンカンの豆知識

キンカンは日中友好の証の果物

中国生まれのキンカンが日本に伝わったのは1826年の江戸時代と言われています。

中国の商船が暴風雨のために難破して静岡県の清水港に修理にのために寄った際に、柴田権左衛門という男が修理に必要な物や食料品などを難破した中国船に送りました。
そのお礼として船員からキンカンを貰い、そのキンカンから種を採って栽培したのが日本のキンカン栽培の始まりとなりました。

キンカンは中国船の難破による偶然と日本人の善意から伝わった果物であり、まさに日中友好の証と言えるでしょう。

果実がまるごと食べられる唯一の柑橘類

キンカンは皮や瓤嚢を含む果実全体(種を除く)を生のまま食べることができます。
砂糖漬けやジャムなどの加工を行わずに果実全体を生食できるのは、柑橘類の果物ではキンカンしかありません。

果皮や瓤嚢が食べられるので他の柑橘類よりも食物繊維を豊富に摂取することができ、生食が可能なので熱などで壊れやすいビタミン類も効率よく吸収することができます。
※瓤嚢(じょうのう)=柑橘類の果肉を包んでいる薄皮のこと

β-クリプトキサンチンが免疫力を高める

古くから風邪や喉の痛みに良いと言われてきたキンカンですが、近年の研究で科学的にその効果が証明されるようになりました。

キンカンに含まれるβ-クリプトキサンチンという成分が体内の免疫細胞であるNK(ナチュラルキラー)細胞を活性化させ、 風邪やインフルエンザ、がんなどの予防に効果が期待できることが分かっています。

冬の寒い時期に旬となるキンカンを1日1~3個ほど食べることで、毎年冬に流行するインフルエンザの対策にもなります。
※NK細胞=白血球に含まれる免疫細胞のひとつで、体内をパトロールしがん細胞やウイルスを攻撃する役割を持っている。

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86年生まれの酒が飲めない九州男児。 家庭菜園が好きすぎて自分の畑を手に入れるためだけに農家になった。 5年前に新規就農し、現在は野菜のネット販売でお金を稼ぎながら家庭菜園を楽しむ「JAに野菜を売らない農家」。 現在家庭菜園16年目。