福岡の伝統野菜かつお菜を育ててみる

かつお菜

「かつお菜」とは福岡で昔から栽培されている伝統の葉物野菜です。
品種的には葉物野菜の代表である「小松菜」や、漬け物でおなじみ「高菜」の近縁種にあたります。

名前の由来は、「カツオのような風味がある」こと、「煮るとカツオの出汁がいらないくらい良い出汁が出る」ことから来ているようです。
また、漢字で「勝男菜」と書くことから縁起物としても売られており、特に正月の雑煮に利用されることが多いようです。

そんな福岡の地方野菜『かつお菜』ですが、たまたま近所の農業専門店に種が売っていたので試しに育ててみることにしました。

かつお菜を育ててみる

さっそく栽培してみましょう。

かつお菜の種

種は他のアブラナ科の野菜と同じで、小さな粒がたくさん入っています。
多分小松菜の種と混ざったら区別がつきません。

育て方は小松菜、高菜の近縁種のようなので、小松菜と同じ育て方で良いでしょう。
畝に2列の「すじまき」で栽培します。

種を蒔いて1週間ほどで芽が出てきました、混み合っている部分を間引いておきます。

かつお菜の発芽

あとは成長に合わせて間引きと追肥をしていきます。

かつお菜の間引き

種の袋に書いてある説明によると、最終株間は「20cmくらい」とのことです。

芽が出てから50日ほどで15cm以上に成長しました。
大きい葉っぱは、30cm近くあるのではないでしょうか。

収穫時のかつお菜ほうれん草と違って、寒さに当たらなくても葉が縮れています。
よく見ると、うっすら小さなトゲのようなものが生えているのが分かります。

かつお菜の表面手触りは少しザラザラしていますが、そこまで硬いトゲではないので別に痛くはありません。

成長すると50cm以上の大きさになるそうですが、間引きがてら収穫していきます。
収穫した葉は、厚みがあってしっかりしています。

かつお菜これだけ厚みのある葉なら、少し火を通しただけでクタクタになってしまうことはなさそうです。

かつお菜を食べてみる

地元で一般的な「お雑煮」と、シンプルな「おひたし」、味付けなしの「炒め物」で食べ比べてみました。

  • お雑煮で食べる
    硬そうな見た目でしたが、火を通すととても柔らかくなります。
    柔らかいといってもクタクタにはならず、シャキシャキとした歯ごたえが残っています。
    かつお出汁がいらないとは言えませんが、わずかにほろ苦さを感じる、なかなかいい味を出してくれます。
    気になっていたトゲも火を通すとほとんど気になりませんでした。
  • おひたしで食べる
    あまりクセのない味とシャキシャキした歯ごたえがおひたしにピッタリでした。
    あまり主張しない味なので、どんな味付けでも合わせやすいと思います。
    アクが少なくサッと茹でるだけで食べられるので、柔らかすぎるおひたしが苦手な人にオススメです。
  • 炒めて食べる
    茹でてしまうとほとんどクセがなくなる「かつお菜」でしたが、炒めると他の調理法より風味が強く感じられます。
    雑煮やおひたしよりは好みが分かれそうですが、かつお菜そのものの味を楽しめる調理法だと思います。
    『かつお味』と言われると?マークがつきますが・・・。

総評

興味本位で育ててみた品種ですが、「予想以上に良かった」というのが正直なところです。
小松菜に似て味にクセがないので、煮ても茹でても炒めても美味しくいただけます。

育てるのも簡単で、小松菜より大きくなるので食べ応えは十分。
風味や歯ざわりも、個人的には小松菜よりも好みです。

問題のカツオの風味ですが・・・正直私にはわかりませんでした。
多少独特の苦みは感じられますが、葉物の中ではクセのない部類で「出汁がいらない」というのは言い過ぎだと思います。

 

正直、小松菜と競えるくらいの野菜だと思いますが欠点が二つ。

ひとつは小松菜と比べてそこまで耐寒性が高くないこと。
小松菜は寒さに強く、冬になると甘みが増すのに対して、かつお菜は氷点下の寒さが続くと葉が凍みてしまいます。
かつお菜が特別寒さに弱いわけではありませんが、連日氷点下になるような地域ではトンネルでの保護が必要です。

もうひとつは硬そうな見た目と小さなトゲ
一度食べてしまえば見た目と違う柔らかさに気付くでしょうが、食べたことがない人には美味しそうには見えないでしょう。
これが育てやすさのわりに、世間に広まらない一番の理由かと思います。

 

育てやすくてしかも美味しい伝統野菜『かつお菜』。
葉物野菜の代表である小松菜と競えるポテンシャルを秘めています。
もっと全国的に広まって、たくさんの人に食べてもらいたいと思える野菜でした。

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ABOUTこの記事をかいた人

86年生まれの酒が飲めない九州男児。 家庭菜園が好きすぎて自分の畑を手に入れるためだけに農家になった。 5年前に新規就農し、現在は野菜のネット販売でお金を稼ぎながら家庭菜園を楽しむ「JAに野菜を売らない農家」。 現在家庭菜園16年目。